『月下氷人』は造語?日本で使われるようになった由来を紹介

少年漫画の能力名のような四字熟語ですが、その印象は実際の意味を知るまででしょう。

漢字だけ見れば「月の下の氷を歩く人」でしょうか…。
確かにかっこいいとは思うんですけどね。

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『月下氷人』の意味とは?

結婚の仲人。男女の縁を結ぶ人。

はい、仲人でした。
字面のかっこよさとは裏腹に、意外と汎用性のない言葉です。

それでは、どうして月下氷人が仲人なのかを見ていきましょう。

意味や由来はこちらの本から引用しています。

『月下氷人』の由来とは?

この言葉は、『続幽怪録』にある月下老人と『晋書』にある氷上人の話を結びつけて作られています。
なので、本場中国ではもちろん「月下老人」と「氷上人」は別の言葉。
「月下氷人」という言葉は使われていないんですね。

なので、今回は「月下老人」と「氷上人」それぞれの由来を紹介してみます。

【月下老人】唐の韋固(いこ)が独身のとき旅をして宋城に行くと、袋に寄り掛かり月光の下で書を読む老人に出会った。
韋固が「袋の中にある赤い縄は何に使うのか」と尋ねると、老人は「これは夫婦をつなぐ縄で、男女の足をつなげば仇同士でも、他国者同士でも夫婦の縁が結ばれる」と答えたという話。

【氷上人】晋の時代の役人令狐策(れいこさく)は、月の光る氷の上に立っていると、氷の下に人がいて、その人と話をした、という夢を見た。
占いの達人策耽に夢の話を占ってもらうと、氷下は陰(女)、氷上は陽(男)、陰と陽が話し合ったのだから、あなたが結婚の仲立ちをする前兆だと言われた。
その翌日に太守の息子の仲人を頼まれ、うまく婚姻が成立したという話。

日本で月下氷人と言われるようになった理由が分かるような気がしますね。
だって、誰だって「老人」なんて言われたくないでしょう!

ちなみに別の本を参考にしてみると、こんなことが書いてあります。

「月下老人」という語があって、「氷人」という語もある。
共にきちんと謂れのあることばだが、それを混同して「月下氷人」という四字熟語ができた。
間違いと言えば間違いだが、ことばにはよくあることである。
どれも男女の縁をとりもつ媒酌人を言う。

個人的には混同したというよりも、「老人」という響きを避けて意図的に混ぜたのでは…と思うのですが笑

にしても月下氷人を思いついた人はうまく言いましたね。
月下老人と呼ばれるよりも月下氷人の方が、仲人になってくれる人は多くなりそうです。

仲人について

僕も書いていてびっくりだったのですが、「え、仲人って大昔の中国にもいたの?」と。

そこでちょっと調べてみました。
見つけたのは、こんな記事。

なんと、古代中国!?

紀元前1000年には既に厳格な婚姻の規定があったのだとか。
この記事で仲人が登場するのは紀元前202年、漢の時代から。

「六礼」という婚礼手続の中の「納采」に仲人が登場するので、引用してみます。

「納采」・・・男性側が仲人を介して女性側へ礼物を贈り、求婚をすること。礼物を受け取ることで求婚承諾とする。

日本の文化は古代中国(今の中国とは別とされているとかなんとか)を倣った文化が多く根づいています。
しかしまさか紀元前からの文化が未だに残っていると思うと、すごいことですよね。

…と、思いきや。

こんな記事を見つけてしまいました。

これによると、2010年に挙式を行った人たちで仲人を立てたのは0.8%で、1%にも満たなかったのだとか。

今時、月下氷人の名に相応しい人が多くはないということなのでしょうか…。

年々減っているということなので、将来的にはなくなってしまう可能性も?
でもきっとそうなったら、メディアが「今、レンタル仲人が流行っている!」みたいな煽り方をして復活させるのが目に見えていますね。

それが何年後のことになるのか、ちょっと楽しみにしていることにしましょう。