SF初心者が覚えるべきSF用語10選

今の時代だから言えることですが、古い翻訳物のSFって訳語がなかったので、読んだところで意味の分からないワードが頻出していました。

きっと当時はそれもSFの魅力の1つだったのでしょう。
今では直訳はそれほど多くないですし、英語は英語のままカタカナを使う時代になりました。

なので今の読者がSFを読むに当たって困ることはそれほどないと思うのですが、
完全に0の状態の初心者でどんな雰囲気の言葉あるかくらいは知っておきたい…という方のために、SFに使われる用語を10コほど選んでみました。

スポンサーリンク

SF初心者が覚えるべきSF用語10選

ちなみにこちらの単語は、以下の『SF事典』を参考に選びました。

テラフォーミング

地球に似た環境の惑星に手を加えて、人が住めるように惑星を改造すること。

『テラフォーマーズ』とは、テラフォーミングをする人たちのことを指しますね。

エントロピー

閉じたシステムの中で、分子がどれだけ乱雑な状態にあるのかを示す指標のこと。

要するに「乱雑さ」という概念です。
「片付いた部屋」はエントロピーが小さい状態ですが、エントロピーの増大が発生することによって「散らかった部屋」になります。

そしてこの「エントロピーの増大」という概念が、SF用語としては重要になります。

「散らかった部屋」は片付けない限りどんどん乱雑になっていきます。

宇宙全体を閉鎖空間(1つの部屋)として見る場合、エントロピーが増大し続けた結果、どうなってしまうでしょうか?

滅びるのです。

つまり、このエントロピー増大則によって宇宙は滅びる運命にあるという知識が、SFを読む時の助けになる可能性があります。

まどマギでQべえが「そんなことしたらエントロピーがー!」みたいなことを言っていたのは、要約すると「宇宙ヤバイ」という意味でした。

ちなみに部屋を片付けるためには、人間が手を加えなければいけません。
確かに部屋は片付くかもしれませんが、片付けるための労力がエントロピー増大の要因になってしまうため、トータルではやはり増大することになります。

そういうわけで、宇宙が滅びるのは不可避です。一応。

反物質

ここはちょっと適当なことを書けないので、本から引用してみます。

今、私たちの身の回りにある物質は、様々な元素の組み合わせでできており、さらにその元素は、大まかに言ってしまうと陽子と中性子よりなる原子核と、その周囲を取り巻く電子の軌道要素の組み合わせによって性質が決定されます。反物質とは通常の物質と同じ質量、同じスピン角運動量で、それでいてそれぞれの構成要素の持つ電荷が通常物質と正反対の物質のことを言います。
(中略)
反物質は、わかりやすく言えば通常の物質と比較し、それらの持っていた質量が全てそれと等しい量のエネルギーに転換される、という性質があります。

SFの世界ではよく宇宙船の燃料として使われていたり、最終兵器として登場したりします。
わずかな質量でもの凄いエネルギーを生むことができるのが、反物質らしいです。

サイバネティクス

生物と機械で別々に進められていた研究を、通信・制御・情報処理の三つの学問領域を統合して興った学問。

最たる例がサイボーグです。

人体に機械を埋め込んだキャラクターは、SFに留まらず多くの作品で見られますよね。
あれはサイバネティクスという学問で扱われる分野になります。

ジオフロント

大深度の地下に巨大空間を作り、そこに地下都市を作り上げる都市開発手法のこと。

広義の意味では「地下空間の総称」としても使われているそうです。
地下空間の利用は、SF世界だけでなくリアルでも行われていますが、都市レベルの大きさにはならないですよね。

ディストピア系のSF作品でよく登場します。
ディストピアの意味は後述します。

ディストピア

ユートピア(理想郷)の対義語であり、恐怖を伴う管理社会を意味する用語。
事典から引用してみます。

この社会では、国家、体制、指導者、システムへの盲従と賛美が尊ばれ、逆らう者はたとえ子供であろうとも厳罰が待っています。体制のもたらす尊ぶべき学習装置として認知されている洗脳装置による「再教育」、もうしくは、死です。

ディストピア社会とはこのような行きすぎた管理の社会ですね。

オーバーロード

人類よりも遥かに進んだ技術を持ち、人類史を裏から操る異星人の種族名。絶対的な上位者。

有名な古典SFを読んでいない人にとってはネタバレになるので、どの作品に登場するのかは伏せておくことにします。
SFに登場する架空の設定であるため、一般的な意味はまた別になってしまうので注意です。

エーテル

20世紀初頭までに物理学で「光が伝播するために必要」だと思われた小さい粒子のことで、当時は宇宙にエーテルが充満していると考えられた。

現代ではすっかり廃れた物理学理論になるそうですが、SF的には少し変わった使われ方もします。
本書を引用します。

現代の物理学でも、真空は単なる空っぽの空間ではなく、様々な性質を備えているとされ、こうした空間そのものの持つ性質をエーテルと呼ぶ場合もあります。
また、SFにおいては、そうした空間の性質を変化させる架空の技術をエーテル技術と呼ぶ場合があります。

スペースオペラ

宇宙を舞台にした活劇SFのこと。

SFというジャンルの中のサブジャンルと理解していただくのが早いと思います。
スター・ウォーズが典型的なスペースオペラに該当します。

日本のSF界では本来のスペースオペラの意味が変化してきて、「巨大なスケールの宇宙戦争小説」と理解されるようにもなりました。
代表作は『銀河英雄伝説』になります。

サイバーパンク

文明の進歩と同時にある種の退廃を伴った近未来を描くSFのサブジャンル。

本書で上げられているサイバーパンクの条件は三つになります。

・情報化社会であり退廃的世界である
・サイバーウェア(人体と機械を接続するガジェット)が存在
・サイバースペース(仮想世界)が存在

日本では『攻殻機動隊』が代表作になります。

まとめ

正直なところ、今のSFに覚えておかなければいけない用語なんてないですし、分からない単語があったら都度調べればいいと思います。
今回の記事は、こんな言葉もあるんだよ、ということで一つ覚えてもらえたらいいなと思って書きました。

なので、「あの言葉ないじゃん!」という指摘よりも、「こんな言葉も一緒に覚えてみて!」という提案の方がありがたいです笑