【感想】『世紀のラブレター』が想像以上に変態だった

『世紀のラブレター』という本を何かの書評欄で知って読んでみたのです。

商品紹介には興味深い文句が並んでいました。

甘える裕次郎、渇望する鳩山一郎、死を目前に想いを託した特攻兵や名将たち。平民宰相は妻の不貞をかこち、関東軍参謀はその名を連呼した。

いやあ、有名人ってラブレターも公開されてしまうんですね!

本当になんというか、変態でした。

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『世紀のラブレター』とは?

本書は政治家や文豪など、誰もが知っているあの人!のような有名人のラブレターを公開してしまおうというトンデモ企画をやっています。

石原裕次郎
鳩山一郎
芥川龍之介
斉藤茂吉
柳原白蓮

などなど。

なのに装丁はビジネスチックな新潮新書。

いったい、これは誰に向けた本なんだ…?

『世紀のラブレター』から一部抜粋

昔はメールもなかった時代ですので、一言二言をやり取りするような手紙ではなかったのです。

もう彼らにとっては書簡だって文学作品のうちの1つ…なわけですが、ラブレターばかりは油断してしまうんでしょうね。

キャラ崩壊してしまうような言葉が並んでいて、思わず目を覆いたくなるくらいだったのですが、せっかくなので紹介してみます。

石原裕次郎はメンヘラ

喧嘩の後に出された手紙だそうです。

マコと僕の唄誰もいなかったので大声で何曲も……何回も唄いました。
でもマコは来なかった。マコがおひる泣いた様に僕も少し泣きました。
唄って唄って唄いながら泣きました。
何んでこんなにならなければならないの?
皆々僕が悪いのですね? 僕は大バカ者!!
マコの気持わかりすぎる程わかってるの……
だから我儘ばかり言うんだ!!
逢いたくて逢いたくてとせうがない。しめ殺す程抱きしめたいけど僕の足がマコの部屋に向かないの……。

あの裕次郎が会いたくて震えちゃってるよ…。

自分で打鍵しててうすら寒いものを感じたのですが、貰った方はどんな気持だったのでしょうか。
同じ気持なんですかね?

きっと時代とか文化の違いなんだと思います…ということにしたいです。

ちなみにこれ、全文じゃないですよ!
こんな鳥肌立つような手紙が3ページにも渡って綴られています!

僕はこれだけ抜粋するのに精一杯でした。

鳩山一郎はKOH+

鳩山一郎といえば元内閣総理大臣であり、同じく元総理だった鳩山由紀夫の祖父でもあるお方ですよね。
僕は当時を生きていたわけでもないので、人柄なんて知っているはずもないのですが、
元内閣総理大臣の書いたラブレターだと思うと、ヤバいです。

ちなみに文中のシスターは本物の妹ではなく、後の奥さんになる方のことです。

手をたずさえて忍ぶ事は出来ましょう。ああ、シスター信じて下さいよ。
そうすれば僕はどんな事も忍耐しますから。
ああ、シスターKissして下さいな。また、色々の思想が百出して悲しく淋しくなりました。
ああ
If I could see you and kiss you andd put my arm around you, sister, I will die,
<<妹よ、あなたに会って口づけし、抱き寄せることができるなら、僕は死んでもいい>>

芥川龍之介は乙ゲー

もう遅いから(午前一時)、やめます。
文ちゃんはもうねてゐるでせう。ねてゐるのが見えるやうな気がします。
もしそこにボクがゐたら、いい夢を見るおまじなひにそうつと眶(まぶた)の上を撫でてあげます
以上

このガツガツしない草食系の雰囲気…イケメン!?

なんか芥川龍之介だったら許されてしまいそうな気がしますよね。

斎藤茂吉こそ最強の変態

ふさ子さん!
ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか。
何ともいへない、いい女体なのですか。

ふさ子さん:25歳

斉藤茂吉:53歳

自重しろおっさん

柳原白蓮はツンデレ?

柳原白蓮は歌人ですね。
大正の3大美人とも称された由緒正しき伯爵家令嬢の美人です。

炭鉱王の夫と政略結婚してしまった後、不倫相手の年下の青年に送ったのが今回のラブレターです。

どうぞ私を私の魂をしつかり抱いてて下さいよ。あなた決して他の女の唇には手もふれては下さるなよ。
女の肉を思つては下さるなよ。あなたはしつかりと私の魂を抱いてて下さるのよ。きつとよ。
少しの間もおろそかな考へを持つて下さるなよ。
……覚悟していらつしやいまし。こんな怖ろしい女。もういや、いやですか。
いやならいやと早く仰い。さあ何(ど)うです。お返事は?

ツンデレ…?
デレてない…?

でもなんとなくヒロイン感はある…?

『世紀のラブレター』感想

変態チックなものから泣けるものまで様々です。

特に斉藤茂吉はびっくりしました。
年の離れた門下生と大恋愛した話はなんとなく知っていましたが、こんなことになっているとは思いませんでした。

ドキュメンタリー見たり伝記とか読んだらもちろん感動できるようにはなっていますが、こんなラブレターを見たら笑ってしまいます。
笑いました。

ちなみに、中にはシリアスなラブレターもあったりします。
死ぬ間際の文は泣けますね。

これをここで紹介したら読む価値が…となってしまうし、そもそも売り方が「こいつら変態だよ!」みたいな売り方なので、その意図を汲んで今回は控えることにします。

『世紀のラブレター』はこんな人におすすめ

・偉人たちの大恋愛をのぞき見したい人
・ラブレターの中身に興味を持った人
・変態チックなラブレターだけでなく、泣ける話も読みたい人

この装丁でこの中身は本当にどうなんだろうか…笑

もうちょっと売り方を考えてほしかったですね。
あと、新潮新書の特徴でもあるのですが、読みにくいのが難点です。

目次が全然目次になってないし、見出しもページの途中にきたりして読者のことを考えてない…。

中身はそれなりに楽しめるんですけどね。