ビブリオマニアという人種はとかく生きづらいもの

諸君は、ビブリオマニアを御存じであろう乎?
御存じない。
それは大変残念である。
そして諸君は偉大なる(以下略

きっとビブリオマニアなら、この書き出しが坂口安吾『風博士』の冒頭だとすぐに分かったことでしょう…。

僕自身はビブリオマニアだなんて畏れ多くて名乗れたもんじゃありませんが、今回はビブリオマニアってやつを紹介してみることにしましょう。

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ビブリオマニアの生態

ビブリオマニアとは?

厳密に分けると、ビブリオフィリアとビブリオマニアが存在するようです。

実は本を愛する蒐集家のことはビブリオフィリアと言います。
一方で、ビブリオマニアとは病気の一種…笑

ビブリオフィリアが本を愛しているのに対し、ビブリオマニアは脅迫的に蒐集せずにはいられない病気なのだそうです。

ですが、小説に登場する「ビブリオマニア」も世間で認識されている「ビブリオマニア」も愛書家の方ですよね。
なのでこの記事でも、ビブリオフィリアの意味でビブリオマニアを使っていきたいと思います。

ややこしい笑

ビブリオマニアの特徴

やつらの本蒐集に対する熱意は怖ろしいものがあります。

神保町だろうがブックオフだろうが関係ありません。
お宝はどこにだって眠っている。

彼らの蒐集する行動力は常軌を逸しています。

金額にだって糸目を付けない。

重要なのは、「自分にとって意味・価値があるかどうか」なのです。

もちろん蒐集した本を他人に自慢したい想いはあります。
が、それ以上に書架に並ぶ本を眺めることで悦に浸るのがビブリオマニアです。

でも、こういう気持って分かりません?

漫画でもラノベでも、なんとなく初版が欲しくなったりしませんか?

・装丁の違い
・限定特典
・初版にだけ存在する誤植
・重版勢より先に作品を発掘したという自負

重版購入は甘え!
本気で作品のファンになるなら書店回って初版見つけるし、オークションでわざわざ初版買っちゃうし、Amazonマーケットプレイスの問い合わせで「こちらの商品は初版ですか?」とか聞いちゃいます…よね?

まあ要するにビブリオマニアとは、本オタクのことなんですよ。

金遣いは洗練されすぎている

ビブリオマニアが働いているイメージってあります?

たぶんあったとしても、職業は限定されているイメージではないでしょうか。
三浦しをん『月魚』を思い浮かべるようなせどり業とか、古本屋とか、カフェとか。

要するに本が周りにないと落ち着かないですし、
そもそも本を読む時間は必要不可欠なので働いている場合じゃないんです。

働いている暇があったら本を読むし、金欠で節約しなきゃいけないなら食費を削って本を買います。
スーパー行って食材減らせば本が1冊買えることに気づいた瞬間、躊躇なく素材を戻すことができます。

出費の最優先が、本!

潔いではありませんか。
これこそビブリオマニアというもの。

そして最強クラスの天上人は、優雅に悠々自適に働かずして金を湯水のように本に使って人生を謳歌する自分自身が物語のようなビブリオマニアです。
僕もそうなりたいです。

実用性vsコレクション性

あなたは実用性重視?
コレクション性重視?

天上人やまともに働いている人なら答えは簡単。

2冊揃える!

~完~

とはいえ、中には2冊も簡単に手に入るような古書なら必要ないという過激派も存在します。
そもそも2冊も簡単に手に入る本が蒐集の的になるのかという話。

僕自身は本を蒐集したい思いはありながら、せっかく手元に置くんだし何回でも読みたいのです!

上製函入というコレクターアイテムよりも、実は文庫の方が好きだったりします。

理由は読みやすいから。

こういうところもきっとビブリオマニアになれない所以ですよね…!



僕が欲しいレアな本

実はちょっと自慢したい本があったりもします笑
ですが、今回やめておこうと思ったのは、公開したら身バレの可能性もあるなと。

稀少性ではなくマイナー性故に。

本の趣味と組み合わせによって個人が特定される可能性もあるので、
おいそれと本棚を見せることもできませんね!

なので、欲しい本を紹介します。

サンリオSF文庫

僕が生まれる前のことでした。
ラノベやジュブナイル小説の走りとも言われたレーベルが存在していたのです。

1978年~1987年の9年間。

フィリップ・K.・ディックやレイ・ブラッドベリなど、海外のレジェンドクラスの作家の飜訳から、無名ながら名作に等しい作品やマイナーすぎる駄作まで。
サンリオSF文庫には様々なSF作品があったそうです。

その数197冊。

197冊というちょっと手を伸ばせば届きそうな絶妙な数。
わずか9年間という限定的な期間に、何よりSFしか扱っていないという特殊性。
マニア心がくすぐられますよね…。

残りの1冊にうおおおおって全国走り回るとかね…。

いつかサンリオSF文庫蒐集の旅に出たいです。

坂口安吾全集(ちくま文庫版)

坂口安吾の全集は数多くありますが、中でも僕が欲しいのは「ちくま文庫版」です。

そもそも、ちくま文庫全集って知ってますか?

読みやすい文庫で実用性は完璧。
さらに特筆すべきは、1ページ毎に注釈が載っていることなんですよ。(作品にもよりますが…)
わざわざ巻末まで飛んで確認する必要がないなんて、最高じゃないですか。

なのにほとんどが絶版になっちゃってます。

・坂口安吾全集
・夢野久作全集
・稲垣足穂コレクション

などなど。
欲しい作家が絶版になっているのを見る度に「くそおおお」と思うんですよね。
再刊してよ…。

ただこれは、サンリオSF文庫と違って金出せば手に入ります。
流通量は多いし、絶版になったのは昔じゃないし、そもそも文庫の全集ってそれほど価値あるわけでもないし。

個人的に棚に並べたいだけなのでした。

ちなみに芥川龍之介全集(ちくま文庫)は全巻箱入りで持ってます。

フランク・ヴェデキント『春のめざめ』酒寄進一訳

この本、Amazonマーケットプレイスで定価の倍の値段になっています。

僕は一時期ドイツミステリにハマっていた時期がありました。

フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』は有名になりましたよね。

その翻訳家が酒寄進一という方なのですが、知っていますか?

小中学校の時に『ネシャン・サーガ』を読んでいた人なら懐かしいと思えるのかもしれません。
『盗まれた記憶の博物館』『ファンタージエン』とかね。

このドイツ語翻訳作家の酒寄進一氏の飜訳が好きで、ドイツミステリにハマっていました。

そして『春のめざめ』は酒寄進一訳の中でも、かなり高価になってしまったもの…。

という理由だけで欲しいのです笑

…ま、ブラック企業時代にストレス発散のために高い金出して買っちゃったんですけどね。

(持ってるじゃん)

笹生陽子『さよならワルガキング』

代表作は『楽園のつくりかた』でしょうか。

僕の好きな児童書作家さんです。

この人の作品は全部持っています。
ただ一冊を除いて…。

それがこの本、『さよならワルガキング』なんですね。

こいつも定価の倍くらいの値段が付いてしまっています。
それだけ高くなっていると、何故か欲しくなってしまうんですよね…笑

金出せば解決なんですが、どうしても踏み切れなくて。
たまあにブックオフオンラインの再入荷メールが着て、適正価格で売られているのですが、カートに入れて決済するまでに売り切れてしまいます!

きっと狙っているせどりがいるんでしょう…。

ビブリオマニアは生きづらい

もうドン引きですよね笑

大学四年間、周りにはそれなりに話の合う人がいたと思いますが、本を集めたいタイプの人には終ぞお目にかかれませんでした。

社会人になったら業界のせいなのか、そもそも本を読む人がいない!

本当の本当にビブリオマニアな方々は、なかなか同志には巡り逢えないのでは…と思っています。
それでも本さえあればいい…それがビブリオマニアだというのか…!

僕もいつかそんなふうになれたらいいなあと思うのでした。

本を読む暇が欲しいなあ!